割れカシューナッツの等級:WS・LWP・SWP・BB

製菓材料の卸業者が、クッキーのトッピング用に「BB」のカシューナッツを注文しました。欲しかったのは生地の上にむらなく散らせる 2 mm ほどのかけらです。届いたのは小さな半月形の粒で、どれも真ん中から横に折れたカシューでした。売り手は自社の規格書で BB と呼ぶものを送っただけです。米国食品工業協会(AFI)の規格では、BB は baby bits、つまり 2.36 mm のふるいを通る細かいかけらを指します。ベトナムの国家規格 TCVN 4850:2010 では、BB は blemish butt(斑点のある横割れ)です。当社のカタログでは BB1 と BB2 の名称は Baby Butt です。同じ 2 文字が、3 つの文書でそれぞれ別のものを指しています。
割れカシューナッツの等級とは、加工中に割れた仁を、割れ方とかけらの大きさで分けたものです。スプリット(WS)は縦に二つに割れた仁、バット(butt)は横に折れた仁です。ピース(LWP、SWP)はそれより小さいかけらで、ふるいで分けます。どれもホールの W320 と同じナッツで、刻む、すりつぶす、焼き込むなど、どのみち粒の形が残らない用途に回ります。
割れはどこで生まれるか
生のカシューナッツは腐食性の液を含む硬い殻の中にあり、仁を取り出すには荒っぽい工程をいくつも経ます。ナッツを加熱し、殻を切るか割って開け、仁を乾燥させ、赤褐色の薄皮(種皮)をむきます。そのあと全体を等級に分けます。どの工程でも仁は割れうるもので、すべての仁を丸ごと取り出せる加工場はありません。
2018 年にナイジェリアで行われた遠心式脱殻機の試験では、ナッツの水分がホールで残る割合に大きく影響し、サイズの差も大きいことがわかりました。最適な設定で、大粒は約 65% がホールで出たのに対し、小粒は約 38% でした。2014 年のインドの研究では種皮むき機を比較し、最も成績のよい機械でホール回収率は約 70%、機械に 2 回通すとさらに下がりました。これは試験や試作機の数字で、業界の平均ではありません。それでも、ホールを詰める工場が同じナッツからスプリットやバットやピースも詰める理由はよくわかります。
スプリット、バット、ピース:3 つの割れ方
AFI と TCVN 4850:2010 は形の定義をほぼ同じ言葉で書いています。
- スプリットは縦に割れた半分の仁で、その半分から欠けた部分が 1/8 以下のもの。
- バットは横に折れた仁で、ホールの 3/8 から 7/8 の大きさがあり、2 枚の子葉が自然についたままのもの。
- ピースはそれより小さいすべてで、ふるいの目の大きさで等級を分けます。
WS、LWP、SWP の頭の W は white(白)で、白いホールと同じ色の等級です。TCVN は黄色く焼けた(scorched)スプリットとピースに別のコード(SS、LSP、SSP)を与えているので、コードの W を見れば買う色がわかります。

当社カタログの割れ等級
当社のカタログには、スプリットとピースの 2 グループに 7 つの割れ等級があります。どれも水分の上限は 4.7% で、AFI と TCVN がカシューナッツ全般に認める 5% より厳しい値です。
| コード | カタログ名 | グループ | コードの意味 | 水分(最大) |
|---|---|---|---|---|
| WS180 | Broken Cashew Kernels WS180 | スプリット | 白いスプリット。180 のサイズ区分にちなむ名称 | 4.7% |
| WS Mix | Broken Cashew Kernels WS Mix | スプリット | サイズ混合の白いスプリット | 4.7% |
| LWP | Large White Pieces (LWP) | ピース | 大きなかけらに割れた白い仁 | 4.7% |
| SWP1 | Small White Pieces (SWP1) | ピース | 小さなかけらに割れた白い仁 | 4.7% |
| SWP2 | Small White Pieces (SWP2) | ピース | 小さなかけらに割れた白い仁 | 4.7% |
| BB1 | Baby Butt (BB1) | ピース | 小さなバット。横に折れた仁 | 4.7% |
| BB2 | Baby Butt (BB2) | ピース | 小さなバット。横に折れた仁 | 4.7% |
SWP と BB の後ろの 1 と 2 は、加工場の規格書上の細分です。AFI と TCVN 4850:2010 は次の節のふるいで小さなピースを分けており、細分どうしの境目はご注文に合わせて取り決められます。見積もり依頼の際にお使いのふるい範囲を教えていただければ、そのロットについて確認してお返事します。各細分の写真も取り寄せ、契約の前にサンプルを並べて比べてください。ホールを含む全等級はカシューナッツのページにあります。
ふるいの目:AFI と TCVN の違い
ピースはふるいで分けますが、ベトナム産の荷がよく照らし合わされる 2 つの規格は、ふるいの設定が違います。AFI は正方形の目をもつ ISO 規格の金網ふるいを求め、丸穴のふるいは同等ではないと明記しています。
| サイズ区分 | AFI:通過する目 | AFI:95% が残る目 | TCVN 4850:2010 |
|---|---|---|---|
| 大きいピース(LP、LWP) | 8.00 mm | 6.30 mm | 8 mm を通過し 4.75 mm に残る |
| 小さいピース(SP、SWP) | 6.30 mm | 2.80 mm | 4.75 mm を通過し 2.8 mm に残る |
| チップ | 2.80 mm | 2.36 mm | 独立した区分なし |
| ベビービッツ(AFI では BB、TCVN では B-B) | 2.36 mm | 1.70 mm | 1.7 mm を通過しない |
6.30 mm の目は通るものの 4.75 mm の目に残るかけらを考えてみてください。AFI では小さいピース、TCVN では大きいピースです。契約に「LWP」と書いて AFI のふるいで測る買い手は、荷のかなりの部分が等級を下回ると判断しかねません。一方、TCVN のふるいで測る売り手には、同じ荷が等級どおりに見えます。
AFI は許容差も定めています。ピースの等級では、残るべきふるいを通過してよいのは重量の 5% まで、バットやスプリットの等級では、ピースが占めてよいのは重量の 10% までです。

用途別の割れ等級
業界の情報では、割れカシューナッツの行き先はナッツバター、菓子、ベーカリー、食品加工全般で、ホールの粒が誰の目にも触れない場所です。
| 等級 | 主な用途 | 確認する点 |
|---|---|---|
| WS(スプリット) | スナックミックス、半粒の形を見せたいベーカリー製品 | 半粒に混じるピースの割合 |
| LWP | グラノーラバー、プロテインバー、ベーカリー | 大きさのそろい。薄いバーでは大きなかけらが目立つ |
| SWP | スプレッド、ソース、フレーバーコーティング、ベーカリー | 袋の底の粉やくず |
| BB(当社カタログのベビーバット) | 食品加工全般 | ビッツではなくバットであることを書面で確認 |
| ベビービッツ(AFI の BB) | ペースト、カシューバター、工業用途 | 色。変色した細かいかけらはペーストで目立つ |
カシューバターやソースのベースのようにすりつぶすなら、大きさは何の役にも立たず、支払うのは風味、色、清潔さの分だけです。クッキーの上にのせたり、窓つき包装のバーに入れたりするなら、お客様の目に触れます。製品を仕上がって見せるのは LWP や SWP のそろった大きさです。

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3 枚のふるいで荷を自分で確かめる
AFI のピースのサイズ測定は、倉庫でも検査台でもできるほど短い手順です。
- 混合サンプルをとります。複数のカートンから、それぞれ違う深さの仁をとって混ぜます。AFI のサンプリング計画では、1 ロットあたり合計 3,500 g 以上を、各カートンの 3 か所以上からとります。
- 混ぜたものから 200 g を量ります。
- 正方形の目のふるいを、目の大きいものを上にして重ね、いちばん下に受け皿を置きます。AFI 基準の LWP なら 8.00 mm と 6.30 mm、SWP なら 6.30 mm と 2.80 mm です。契約が TCVN に従うなら 8、4.75、2.8 mm を使います。
- 2 分間ふるいます。AFI は機械式のふるい振とう機を使います。手でふるう場合は一定の動きを保ち、時間を計ります。
- 各ふるいの上と受け皿に残った量を量ります。AFI では、その等級の下のふるいを通過した量は重量の 5% 以下であるべきです。
スプリットにはふるいは要りません。200 g を暗い色のトレーに広げ、きれいな半粒でないもの(バット、ピース、ホール)をすべて取り出して量ります。AFI では、ピースは 10% 以下にとどまるべきです。
あと 2 つの確認は数分で済みます。AFI が求めるとおり、色は日光か全波長の照明の下で見ます。次に、開けたばかりの袋からひとつかみとってにおいをかぎます。異臭や油の酸化臭こそ、AFI の官能検査が探すものです。
契約書に書くこと
冒頭のクッキー用の注文は、2 文字のせいでつまずきました。次の項目を書いておけば、出荷前に割れ等級の意味がはっきりします。
- 等級コードと、その根拠になる規格。例:「TCVN 4850:2010 に定める LWP」「AFI に基づく large white pieces」
- ミリ単位のふるいの目と、正方形の金網ふるいであること
- 下のふるいを通過する分の重量許容差と、スプリット等級に混じるピースの許容差
- 色の等級(白。焼け色(scorched)を望むならその旨)
- 水分の上限。当社カタログの割れ等級では 4.7%
- 船積み前の封印サンプル 2 点。AFI の推奨どおり、うち 1 点は紛争に備えて封をしたまま保管
ホールの等級と粒数の数え方はカシューナッツの等級ガイドをご覧ください。割れ等級を契約前に確かめるなら、サンプルを依頼するか見積もりを依頼してください。各等級の最新の FOB 価格は当社の価格ボードにあります。価格は毎週変わります。
よくある質問
カシューナッツの等級の WS とは何ですか?
White splits(白いスプリット)のことです。縦に二つの自然な半分に割れた白いカシューナッツで、どちらの半分も欠けは 1/8 以下です。当社カタログの WS180 と WS Mix はどちらもスプリットの等級です。
BB はベビービッツですか、ベビーバットですか?
文書によって違います。AFI は BB を baby bits(2.36 mm のふるいを通り 1.70 mm に残るかけら)に使います。TCVN 4850:2010 は BB を blemish butt に、B-B を baby bits に使います。当社カタログは BB1 と BB2 を Baby Butt と呼んでいます。意味と大きさを契約書に書いてください。
割れカシューナッツはホールより品質が劣りますか?
割れは形の話です。色、水分、虫害などの欠点はそれぞれ別の基準で判定され、白いピースは白いホールと同じくらい清潔で新鮮でありえます。割れ等級の価格が低いのは、形が失われた分です。
カシューバターにはどの割れ等級が最適ですか?
清潔な白い等級ならどれでも使えます。すりつぶせば大きさは関係なくなるからです。色と風味の基準を満たす小さなピースの等級で十分です。変色したかけらはペーストを暗くするので、色はよく確かめてください。
出典
- Association of Food Industries (AFI), Specifications for Cashew Kernels、2023 年 9 月更新。ホール、バット、スプリットの定義、ピースのふるいの目(表 2)、許容差、サンプリング計画、色と官能の検査、船積み前の封印サンプル
- TCVN 4850:2010, Specification for cashew kernels、Vinacas が公開するベトナム語・英語の対訳版。定義、略号(BB、B-B)、大小のピースとベビービッツのふるいの目
- Kilanko, O. ほか、"Design and performance evaluation of centrifugal cashew nut sheller for improving the whole kernel recovery"、Agricultural Engineering International: CIGR Journal 20(1)、2018、162-170
- Balasubramanian, D.、"Comparative performance of mechanised peeling machines for unpeeled cashew kernels: a case study"、Journal of Plantation Crops 42(3)、2014、323-328
- Nutrada、"Cashew grades in detail"、割れ等級の用途



